金魚の病気は目を見ればわかる?
皆さんは飼っている金魚の目の様子がおかしいなと感じたことはありませんか? 実は、人間の病気が体の一部を見て判断できるように、金魚の病気の中にも、金魚の目の様子で判断できるものがあります。今回は、金魚の病気の中で、目を見て判断できるものについて、調べてみました。
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金魚の病気:目で判断できるもの
金魚の病気の目で判断できるものについて見ていきましょう。目で判断できるといっても、目の様子にも様々あります。様子別に判断できる病気を見ていきましょう。まず、目が通常よりも飛び出している場合は「ガス病」「コイ春ウイルス血症」が疑えます。「ガス病」とは、ヒレの血管を中心に気泡が生じる病気で、「コイ春ウイルス血症」とは、肝臓・じん臓・すい臓に顕著な異変が現れる病気です。
それぞれ、目だけでなく、他の部分にも病気の兆候が見られるので、目に異変を感じたら、この2つの初期症状について調べてみるといいでしょう。次に、目が白濁している場合は「白雲病」「水カビ病」を疑えます。「白雲病」とは、その名の通り、雲のような白い粘膜で、金魚の体表が覆われてしまう病気で、「水カビ病」とは、金魚の体表に白い綿のようなの水カビが寄生する病気です。また、目が飛び出していて、白濁している場合は「ポップアイ」という病気の可能性が高いでしょう。最後に、目の中に血が溜まって充血し、腫れている場合は「アノキシア」を疑えます。今回は「ポップアイ」と「アノキシア」に焦点を当てて見ていきましょう。
金魚の病気:ポップアイ
「ポップアイ」について見ていきましょう。これは金魚の目が飛び出してしまう症状のことをいい、水質の悪化、ウイルスや細菌、寄生虫などのほか、感染症や腫瘍、気泡病などの他の病気の症状として見られることがあります。これを発症してしまうと、目が異常に飛び出した状態になり、目に透明感がなくなり、白く濁ってしまいます。病状の進行に伴って眼圧が上がり、末期になると組織が壊死して、目が取れてしまう場合もあります。
治療方法ですが、目が飛び出していたり、白く濁っていたりするだけの場合はまだ初期症状のため、水槽の水を6〜8割ほど換えて、ろ過フィルターを清掃し、水槽内の環境を整えることで回復が望めます。
ただし、原因となる細菌が「エロモナス菌」の場合は、初期なら0.5%〜0.8%(1Lに5〜8gの割合)の塩水浴を施すか、薬浴(薬を入れた水槽に金魚を移す療法)を併用しての治療、中期以上の症状なら薬浴と0.8%塩水浴を併用して治療が必要となります。エロモナスはほかの金魚に感染する危険性があるので、発症した金魚はすぐに薬浴用のほかの水槽に移しましょう。また、鱗が逆立ってしまう「松かさ病」を併発させることもあるので注意してください。薬浴をする場合、薬浴を3〜5日間続けたら、その後0.5%塩水浴に切り替えて1週間ほど様子を見ましょう。ポップアイは、眼圧を下げる必要があるため、水深は15cm程度の浅い環境下での治療をお勧めします。
金魚の病気:アノキシア
続いて、アノキシアについて見ていきましょう。アノキシアは別名「低酸素症」とも呼ばれており、目の中に血が溜まって充血し、腫れているような症状が現れるのは、無酸素状態を生き延びた証拠です。酸素が欠乏するのは、水の流れの停滞や、水温の激変、エアレーションの不足などが原因とされています。これに対する治療法として、先程も登場した塩水浴がお勧めです。元々使っていた本水槽は、ポップアイの時に述べた方法で、水槽内の環境を整え、エアレーションや水が流れているかを確認しましょう。また、酸素が欠乏していると、水質が酸性に傾いてしまうため、pHが中性になるよう調整してください。酸素が足りないと、金魚は水面近くで口をパクパクとさせる「鼻上げ」を繰り返します。鼻上げの兆候が見られたら、一度、水槽の環境を整えるのがいいでしょう。
金魚の病気を目以外で見分けるには
金魚の病気を目以外で見分ける方法について見ていきましょう。まずは、エラからわかる病気は「エラ腐れ病」「コイ春ウイルス血症」「金魚ヘルペス」があり、ヒレからわかる病気に「尾腐れ病」「赤斑病」「鰭赤病」があります。どちらの様子からもわかるものもあり、中でも「吸虫症」「トリコディナ病」「白雲病」「白点病」「水カビ病」「ウオジラミ症」などは有名な病気です。鱗からは「エピスティリス寄生症」「松かさ病」「穴あき病」「トリコディナ病」といった病気が分かり、さらに肛門からは「エロモナス病」「コイ春ウイルス血症」「鰭赤病」がわかるとされています。これらのことからわかるように、金魚の病気には、1つの部位だけでなく、様々な部位に兆候が見られる場合が多くあります。これらの兆候を見逃すことがないようにしましょう。
金魚が病気になる前に注意しておくこと
金魚が病気になる前に注意しておくことについて見ていきましょう。まずは水槽環境についてです。これが悪くなると、金魚の免疫力が低下してしまいます。水草や砂利、ろ過フィルターなどを掃除し、定期的に水を換えましょう。また、エサを与えすぎには注意してください。食べなかったエサが水槽の底に放置されると、水質の悪化に繋がります。水温は20〜23℃、水質はpH 値をpH7.0の中性に保つのがお勧めです。これらに気を付けて、飼育環境や水質は常に一定を保っておきましょう。また、人間に病気もそうですが、金魚の病気は早期の発見・治療が大切です。エサを与える時や水を換える時など、最低でも1日1回は金魚の健康状態を観察するよう習慣づけましょう。これらのことに気を付けて、金魚が病気にかかることのないようにしましょう。
まとめ
目の様子だけでも、様々な病気を疑うことができます。金魚の病気の見分け方を把握して、金魚の様子が少しでもおかしいと思ったら、病気を疑って、まずは塩水浴で様子を見るのもいいでしょう。皆さんの金魚がいつまでも健康でありますように。
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