コートをクリーニングに出し忘れると起こる悲惨な現状とは?
ついうっかりして、ワンシーズン着たコートをクリーニングに出し忘れてしまったことはありませんか?それほど着ていない場合や、思いの外温かい季節だったりすると自然と出番も減って、そのままクローゼットの中へとフェードアウトしてしまうこともあるでしょう。クリーニングに出し忘れてしまったコートは、そのままクローゼットにしまっておくとちょっと厄介なことになってしまいますので、綺麗にしてからしまうのがベストです。では、クリーニングに出し忘れてしまったコートは次のシーズンが来るまでどうすればいいのでしょうか。そこで今回は、クリーニングに出し忘れてしまったコートの管理方法などについてまとめてみました。
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クリーニングに出し忘れたら?
クリーニングに出し忘れてしまったコートは、まずとにかく汚れが沢山ついています。その汚れは、水分やホコリなどが主です。直接肌に触れるものではないので、皮脂汚れなどの強い汚れつくことはあまりありません。だからと言って、そのままにしておくと二次被害が出てしまうので、ワンシーズン毎に綺麗にするのがコートを長く着るためには必須。では、起こりえるその二次被害とはどんなものでしょうか。
・カビが生える
コートは人が一番外側に身に付けるアイテムです。そのため、外からの汚れが沢山付着します。外気に含まれる水分や、雨や雪などの直接降りかかる水分、また自身から出る汗。こういった水分を含んでいるコートを、そのまま次のシーズンまで放置してしまうとコートにカビが生えてしまいます。コートの中でも特にウールコートは水分を含みやすい素材を使っているので、使うたびにきちんと乾燥させることが大事です。
クローゼットのような閉ざされた場所に放置していると、湿気が溜まりどんどんカビが生えてしまいます。繊維の奥まで根を張って黒ずんでしまったカビは、残念ながらクリーニング屋でも綺麗には落とせません。なので、コートはその都度しっかり干して乾燥させてからクローゼットにしまいましょう。そして、シーズンが終わったときやシーズン中でも着なくなった時点ですぐクリーニングに出してしまう方が安心です。
・シミができる
コートの表面には水分以外の汚れも付着しています。この汚れを、次のシーズンまで放っておくとシミになってしまいます。繊維の奥まで汚れが浸透してしまうと、その染み汚れは綺麗に落とすことが難しくなってしまいます。また、汚れはカビの繁殖の餌にもなってしまうのでカビを増やしてしまう原因にも。また、雨や雪にも汚れなどが含まれていますので、そのまま放置するとシミになることもあります。特に、レザーや色落ちするようなものは、水分を含むとシミになりやすいので注意しましょう。
・虫に食われる
あまり頻繁に起こることでもないですが、コートに虫の卵が付いてしまうことがあります。必ず毎シーズン付くというわけではないですが、付かないという可能性もゼロではありません。コートのポケットの中や裏地と表地の間などに卵を産み付けられれば、見つけるのは大変。また、そのままクローゼットにしまってしまうと、卵が孵化し、そのまま成長の養分として衣類の繊維を食べてしまうこともあります。
特に高級な素材や天然素材は虫の大好物なので、どんどん食べられてしまって、次のシーズンで着ようと思った時にはあちこちに穴が…なんてことも。いつどこで虫の卵が付いてしまうかもわからないので、コートを脱いだら毎回ブラッシングなどをして汚れやホコリ、卵の虫も取るようにしましょう。特に高級獣毛を使っているコートは必須です!
・臭くなる
色々な汚れを含んだコートをそのままにしていると、汚れが繊維に染み込み、コートが臭くなってしまいます。また、コートを着て出歩いていると、店内や電車の中などで暑くなって汗ばむこともあります。コートに限らず、汗を含んだ衣類をそのまま長時間放置しているとものすごい異臭を放つようになるのと同じで、コートも汗を吸ったまま放置しているとどんどん臭くなってしまいます。
それがクローゼットの中に放置されていると、他の衣類にも臭いが移りますし、クローゼットの中も異臭で満たされてしまいます。クローゼットの中に異臭が染み付いてしまったら、臭いを消すのも一苦労。さらにコートのような厚手の素材は臭いも吸収しやすいので、普段から臭い対策をきちんと取っておくことをオススメします。タバコを吸う人、香水を使う人は特に気を付けましょう。
出し忘れた時のチェックポイント
もしコートをクリーニングに出し忘れてしまった場合、次のシーズンまでそのままにしておくか、すぐクリーニングに出すか迷いますよね。もちろん、着た回数などに関わらず、すぐクリーニングに出すに越したことはないのですが、コートの状態を見て決めても遅くはありません。あなたが出し忘れてしまったコートは今、どんな状態にありますか?
・シミはありますか?
コート全体を隈なくチェックして、シミ汚れが付いていないか確認をしましょう。特に、襟・袖口は肌に触れることが多いので汚れが強い部分でもあります。汚れが茶色くなっているまたは黒ずんでいる場合は、汚れが時間の経過と共に酸化してしまっている状態です。そのまま放置していると、汚れは強くなり落としにくくなる一方なので、すぐクリーニングに出しましょう。
・シワはありますか?
コートにしわが付いてしまっている場合は、そのままにしていても、勝手にしわが取れるということはありません。コートの素材によってはしわを形状記憶してしまって、次にクリーニングに出したときに綺麗に取れない可能性もあります。そうなると、見た目が本当に美しくありません。むしろ、そのしわがかえって目立ってしまうという悲惨な状態になってしまうので、しわが付いている物はすぐ取る必要があります。
・臭くありませんか?
コートが変な臭いになっていたら、それはコートに付着した汚れによる雑菌の繁殖か、コートについた臭いが変質して悪臭になってしまったと考えられます。特に、タバコを吸う人や香水をつける人のコートが臭くなりやすいです。身に覚えはありませんか?また、自身がそういったものとは無縁でも、周りでそういう人がいたりタバコの臭いが付くような場所にいる、焼き肉屋などの煙の多い場所に行った場合などでも臭いがついてしまいます。食べ物から出る煙には油分が含まれているので、その油分が酸化して臭くなるとかシミができるといった被害も出てしまいます。
クリーニングに出すべきコート
クリーニングに出すのを忘れてしまったからと言っても、ワンシーズンに1回しか着なかったら、クリーニングに出すのも躊躇してしまいますよね。そんな時は、クリーニングに出すべきかどうか?次のポイントをチェックしてから判断しても良いと思います。それほど汚れがひどくない場合は、自宅で部分的に綺麗にすればクリーニングに出す必要が無かったりもします。
・大きな汚れが付いている
明らかに目立つ汚れがある場合は、すぐクリーニングに出しましょう。自宅で落とそうとすると、余計にシミが広がったり落とせなくなったりしてしまいます。汚れの種類が分かる場合は、クリーニング店に伝えるとより確実にシミを落としてくれます。
・水洗い不可のもの
洗濯表示を見て水洗い不可のものは、水を使わないで綺麗にできる特殊な薬剤を使って汚れを落とさなければいません。基本的に業務用でしか扱えない薬剤なので、水洗いができないものは素直にクリーニングに出しましょう。ちなみに、洗濯不可を表す洗濯表示は水の入った桶マークにバツ印が書かれているものです。下手に自分で洗濯をしてしまうと、しわが付いてしまったり、シミになる、色落ちする、縮むなどの原因になります。一度そのようなことが起こると基本的には元には戻せませんので、気を付けてください。
・高価、お気に入りのもの
高価なコートは使われている素材もデリケートな物が多いです。また、自分で洗濯をして失敗してしまった場合、そのダメージは言葉では言い表すことができないほどに…。それでもいい!というのなら止めはしませんが、プロに頼むことをオススメします。また、クリーニング店でも高価な物やラグジュアリーブランドのものは料金も高くなる場合がありますのでご注意ください。また、特別お気に入りの物も、自分で洗濯をして失敗したらショックが大きいので、プロに素直に頼むのが無難です。風合いの良い物や形が綺麗なものは、自宅で洗うと上手くそれらを保つことは難しくなりますので、やはりプロに頼むのが一番安心安全と言えるでしょう。
コートのクリーニング料金相場
コートをクリーニングに出した場合、料金はいくらくらいするものなのか気になるもの。1枚くらいならいいですが、数枚出すとなると諭吉さんの出番になってしまうかもしれません。慌てないためにも、あらかじめ料金を知っておくと安心です。
・トレンチコート
トレンチコートはライナーやベルト等、取り外せる付属品が沢山付いています。そのため、お店によっては付属品に対して300円~1,000円の別料金を取られることもあるかもしれません。また、長さも膝上のものから足首まであるものもあるので、コートの長さによって値段も変わります。一般的には1,500円~2,000円程度が相場となっています。
・ダウンコート
ダウンは羽毛が使われていて、他のコートと違って洗濯するのに手間がかかるため、料金もちょっと高め。ただ洗濯方法はクリーニング店によってさまざまなので、値段も差が激しく平均金額が出しづらくもあります。値段の幅としては1,000円~1万円と広いですが、あまり安いところに頼むとダウンの防水性やボリュームが失われてしまうこともあるので、きちんと対処してくれるお店を選ぶようにした方が良いでしょう。値段につられてはいけません。
・高級素材や高級ブランド
高級な物は洗濯方法も特別ですし、素材もとてもデリケートなので手間がかかります。そのため、クリーニング料金も跳ね上がり、大体5,000円~15,000円くらいかかるとみておきましょう。また、特別高級なブランドになると、洗濯する側も相当気を使わなくてはいけないので、値段がその通常料金の倍以上かかることもよくあります。今は、高級ブランド専門のクリーニング業者もあるので、特別高価なコートはそういった専門に扱っているお店の方がコートの扱いに慣れているので安心して任せられます。
・特殊なボタンや装飾
こういたものがある場合は通常のクリーニングができないので、その分値段が上乗せされることもあります。装飾品やボタンの種類・素材・大きさによって値段も変わりますが、+500円~とみておきましょう。
コートはだいたいシーズン終わりには値段が高くなりますが、シーズンが終わるちょっと前は値段が下がりやすいので料金を安く抑えることができます。時期的には、だいたい2月頃が一番狙い目!サービス券やポイント還元、キャンペーン等をしているお店も多いので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
クリーニングに出す前に必見!
コートをクリーニングに出すのはいいのですが、思わぬトラブルを防ぐためにも事前チェックは必ず行いましょう。コートを出す前のチェックポイントは次の通りです。
・クリーニングが不要の付属品を外す
取り外せる付属品は別料金を取られるところが多いので、自宅で洗っても問題なさそうなものやクリーニングが必要ないものは、あらかじめ外しておきましょう。料金の節約になります。
・ポケットに物が入っていないか確認
クリーニングに関わらず、普段の自宅での洗濯でも、ポケットにティッシュやレシート、メモ用紙などを入れっぱなしにして悲惨な目に合った方も多いでしょう。ポケットに入っていたもの貴金属だった場合、自宅で洗濯している分にはいいですが、お店に出してしまうと返ってくることはまずありません。と言っても、自宅の洗濯機の故障にも繋がり兼ねないので、やはり自宅でもポケットの中を確認する必要はあります。普段から着終わった衣類のポケットの中を確認するようにしておきましょう。
・コート全体の汚れ具合を確認
あらかじめ自分でコート全体を見渡して、汚れている場所や汚れ具合を確認しておきましょう。忘れてしまうようなら、メモをしていってももちろんOK。汚れの個所をきちんと伝えておけばお店でもちゃんと綺麗にしてくれますし、自分が伝え忘れただけなのに綺麗になっていない!などの不快感やトラブルになることも防げます。また、汚れの原因が何かわかれば、お店の人にきちんと伝えておくと、より適切な処置をしてくれるので綺麗に仕上がります。
・ほつれがないか確認
コートの表や裏を見て、ほつれている部分がないか確認をしておきましょう。ほつれたままクリーニングに出してしまって、余計にほつれが酷くなる場合もあるので、自分で直せる場合は自分で直してから出すようにしましょう。自分直すのが難しい時は、お店の人にあらかじめ伝えておくようにすると、トラブルを防げます。とくに、裾や袖口、ポケットの端のほつれ、ボタンの付き具合は要チェックです!
まとめ
一度しか着ていないコートはクリーニングに出すことをつい流してしまいがちですが、できるなら一度しか着ていなくてもクリーニングに出すのがベスト。もし自宅で洗えるようなコートなら、一度着たくらいなら自分で洗ってみてもいいかもしれません。面倒でなければ、そして完全自己責任のもとで、ではありますが。ただし、上記で説明したクリーニングに出すべきコートは、素直にプロにお任せしましょう!